長期優良住宅で後悔する理由7選|デメリットと後悔しないための対策を解説

長期優良住宅は、国の厳しい認定基準をクリアした高性能住宅です。
税制優遇や補助金などのメリットがある一方で、「申請費用がかさんだ」「維持管理が負担に感じる」といった後悔の声が聞かれるのも事実です。
茨城県南部や千葉県北西部で注文住宅を検討している方にとって、長期優良住宅の制度を正しく理解し、後悔につながりやすいポイントをあらかじめ把握しておくことが欠かせません。
この記事では、長期優良住宅で後悔する7つの理由と、後悔を防ぐための5つの対策をわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みください。
| このコラムのポイント |
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Contents
長期優良住宅の基本と認定基準

長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態で使用できるよう、国が定めた認定基準を満たした住宅です。
所管行政庁に申請して認定を受けることで、税制優遇や補助金の恩恵を受けられます。
2009年に新築住宅を対象として制度が始まり、2022年10月からは既存住宅の増改築も認定対象に加わりました。
まずは認定基準の概要と、よく比較されるZEHとの違いを押さえておきましょう。
国が定める認定基準を満たした長寿命・高性能住宅
新築戸建ての場合、長期優良住宅の認定を受けるには以下の基準項目をクリアする必要があります。
| 認定基準の項目 | 要求水準の概要 |
| 劣化対策 | 劣化対策等級3+構造に応じた基準 |
| 耐震性 | 耐震等級3 |
| 省エネルギー性 | 断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6 |
| 維持管理・更新の容易性 | 維持管理対策等級3 |
| 居住環境 | 所管行政庁が定める基準に適合 |
| 住戸面積 | 75㎡以上(1階の床面積40㎡以上) |
| 維持保全計画 | 構造耐力上主要な部分等の点検計画を策定 |
※災害リスクのある区域では「災害配慮」の基準も必要です。また、共同住宅の場合は可変性・バリアフリー性の基準が追加されます。
認定を受けるには、所管行政庁への申請が必要です。
申請の手間やコストが後悔の理由になりやすいため、次章以降で詳しく解説します。
ZEHとの違いは、省エネ収支だけでなく耐震性・維持管理・長寿命化まで含むかどうか
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、高断熱化と太陽光発電などによって年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロ以下にすることを目指す住宅です。
一方、長期優良住宅は省エネ性能だけでなく、耐震性・劣化対策・維持管理まで含む包括的な認定制度です。
2022年10月の基準見直しにより、現行の長期優良住宅にはZEH水準相当の省エネ基準(断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6)も求められるようになりました。
「ZEHと長期優良住宅のどちらを選ぶべきか」と迷う方も多いですが、両制度は対象とする性能の範囲が異なるため、単純な比較はできません。
長期優良住宅で後悔する7つの理由

長期優良住宅は高性能な住まいを目指す方にとって候補に入れて損はない制度です。
しかし、事前に知っておくべき注意点もあります。ここでは、長期優良住宅を建てた方が後悔しやすい7つの理由を解説します。
- 申請費や関連費用が数万円〜数十万円になることがある
- 認定取得で着工前の準備期間が数週間〜長引くことがある
- 耐震等級・劣化対策の基準が間取りの自由度を下げる
- 30年以上の維持保全計画と、10年以内ごとの点検計画が必要になる
- 認定内容に関わる増改築・リフォームでは変更認定が必要になる
- 認定内容に関わる設計変更では再審査や追加費用が発生することがある
- 減税の恩恵よりも申請・維持にかかるコストが上回るケースがある
申請費や関連費用が数万円〜数十万円になることがある
長期優良住宅の認定申請には、行政手数料・設計審査費用・代行手数料などの費用がかかります。
自分で申請する場合は5〜6万円程度が目安となりますが、自治体によって手数料は大きく異なるのが実情です。
たとえば、登録住宅性能評価機関の確認書を添付して申請する場合、手数料が6,000〜7,000円程度の自治体もあれば、17,000〜18,000円程度の自治体も存在します。
確認書を添付しない場合は、38,000〜81,000円と幅がさらに広がるため注意が必要です。
さらに、ハウスメーカーや工務店に申請を代行してもらう場合は、代行手数料が加算されて総額10万円〜30万円程度になることもあります。
登録住宅性能評価機関で事前審査を受けておくと手数料を抑えられる場合があるため、業者に事前確認してみてください。
>関連リンク:みらいエコ住宅2026事業の対象と補助金額は|申請の流れや活用方法・注意点も解説
認定取得で着工前の準備期間が数週間〜長引くことがある
長期優良住宅を建てるには、着工前に登録住宅性能評価機関の確認と所管行政庁の認定審査を受ける必要があります。
自治体が公表している標準処理期間は7日〜21日程度ですが、この日数には書類の補正(質疑応答)の時間が含まれません。
書類に不備があった場合はさらに日数がかかるため、一般住宅と比べて数週間〜1か月程度建築スケジュールが延びる可能性があります。
ただし、認定通知書の交付を待たずに着工できるケースもあるため、スケジュールへの影響は条件次第で異なります。
入居希望日がある場合は早めに準備を進め、工期に余裕を持った計画を立てるようにしてください。
耐震等級・劣化対策の基準が間取りの自由度を下げる
長期優良住宅の認定には耐震等級3が求められるため、耐力壁をバランスよく配置する必要があります。
その結果、大空間や吹き抜けの設計に制約が出るケースも珍しくありません。
また、劣化対策として床下や小屋裏に点検口の設置義務があるため、配置場所によっては見た目や間取りに影響を及ぼす場合があります。
とはいえ、構造計画を工夫すれば制約を最小限に抑えられます。
設計段階で認定基準を踏まえた構造計画について、施工業者と十分に打ち合わせを行うことが重要です。
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30年以上の維持保全計画と、10年以内ごとの点検計画が必要になる
長期優良住宅の認定維持には、30年以上の維持保全計画に沿った定期点検が義務付けられています。
点検間隔は「10年以内ごと」で、地震・台風などの災害時には臨時点検も必要です。
点検結果によっては調査・修繕・改良が求められるほか、点検記録の作成・保存義務もあり、所管行政庁から報告を求められる場合もあります。
点検を怠ると是正指導・改善命令を経て認定取消しや補助金返還につながる可能性があるため、長期的な維持管理の負担を事前に把握しておくことが重要です。
認定内容に関わる増改築・リフォームでは、軽微変更を除き変更認定が必要になる
入居後にリフォームや増改築を行う場合、認定内容に関わる変更では変更認定の申請が必要です。
耐震性や省エネ性に影響する設計変更・増築などが対象です。
ただし、すべてのリフォームに変更認定が必要なわけではありません。
構造に影響しない内装の変更など「軽微な変更」は対象外です。
認定基準を満たさない改修を行うと認定取消しのリスクがあるため、リフォームを検討する際は事前に業者と相談し、変更認定が必要かどうかを確認することをおすすめします。
認定内容に関わる設計変更では再審査や追加費用が発生することがある
建築途中で認定内容に関わる設計変更を行う場合は、再度の審査を受けなければなりません。
施工計画の再作成や省エネ計算のやり直しが発生し、追加の設計費用・申請費用がかかります。
変更認定の届出を行わずに施工を進めると、認定取消しにつながる可能性があります。
認定基準に影響しない変更(内装仕上げの変更など)であれば問題ありませんが、着工前に設計を十分に固めておくことが後悔を防ぐポイントです。
減税の恩恵よりも申請・維持にかかるコストが上回るケースがある
長期優良住宅の住宅ローン控除は一般住宅より優遇されます。
しかし、借入額が少ない場合や所得・住民税の控除枠が小さい場合は、最大控除額の恩恵を十分に受けられません。
結果として、数十万円にのぼる申請費用や定期点検の維持コストのほうが、減税効果を上回る逆転現象が起きます。
メリットとデメリットの総額を事前にシミュレーションし、費用対効果を厳しく見極める工程が必須です。
後悔を上回る長期優良住宅の5つのメリット

デメリットを知った上で、メリットを正しく把握しておくのが後悔を防ぐためのポイントです。
- 一般住宅よりも住宅ローン控除の借入限度額が高く優遇される
- 固定資産税の減額期間が延長される
- フラット35Sの金利引き下げと地震保険料の割引がある
- 補助金の対象になり得る
- 資産価値を維持しやすい傾向がある
税制優遇・補助金・資産価値維持など金銭面を中心としたメリットがありますので、それぞれ解説します。
一般住宅よりも住宅ローン控除の借入限度額が高く優遇される
長期優良住宅の代表的なメリットは、住宅ローン控除の借入限度額が一般住宅より高く設定されている点です。
以下の表の通り、省エネ基準を満たさない一般住宅と比べると、借入限度額に大きな差が生じます。
| 住宅の種類 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | その他の世帯 |
| 認定長期優良住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 |
| その他の住宅 | 0円(2024年以降入居) | 0円(2024年以降入居) |
2024〜2025年入居の場合、子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円、その他の世帯は4,500万円が上限となります。
控除率は0.7%、控除期間は最大13年間適用されます。
また、認定住宅新築等特別税額控除(投資型減税)として、認定基準を満たすためにかかった費用の10%相当額(上限650万円)が控除される制度も利用可能です。
固定資産税の減額期間が一般住宅の3年から5年に延長される
新築住宅には固定資産税が半額になる減額措置がありますが、一般の戸建てでは3年間、マンションでは5年間が適用期間です。
長期優良住宅の場合、戸建ては5年間、マンションは7年間に延長されます。
延長される2年分の固定資産税を考慮すると、数十万円の節約につながるケースもあります。
なお、この減額措置には適用期限があるため、制度の変更リスクも念頭に置いておくのが重要です。
フラット35Sの金利引き下げと地震保険料の割引がある
長期優良住宅はフラット35S(金利Aプラン)の対象となり、当初10年間は借入金利が0.25%引き下げられます。
また、返済期間を最長50年に設定できる「フラット50」も利用可能です。
地震保険料については、耐震等級に応じた以下の割引が適用されます。
| 割引の種類 | 保険料の割引率 |
| 免震建築物割引 | 50% |
| 耐震等級割引(等級3) | 50% |
| 耐震等級割引(等級2) | 30% |
| 耐震等級割引(等級1) | 10% |
長期優良住宅は耐震等級3が認定要件であるため、地震保険料が50%割引されます。
金利引き下げと保険料割引の併用により、総返済額や維持費の負担軽減が期待できる点も見逃せません。
条件を満たせば子育てグリーン住宅支援事業などの補助金対象になり得る
長期優良住宅の新築は、子育てグリーン住宅支援事業(2025年度〜)の補助金対象になり得ます。
ただし、子育て世帯・若者夫婦世帯に限定されており、床面積や立地にも要件がある点に注意が必要です。
地域型住宅グリーン化事業では、ZEH水準を満たす認定長期優良住宅に対して最大140万円の補助金が給付される制度もあります。
補助金制度は毎年変更される可能性があるため、最新情報は各制度の公式サイトや施工業者に確認してください。
>関連リンク:GX志向型住宅とは|ZEH・長期優良住宅との違いや補助金申請の主な流れと注意点を解説
資産価値を維持しやすい傾向がある
長期優良住宅は劣化対策と定期メンテナンスにより、物理的な劣化が抑えられます。
耐震性や断熱性といった性能が認定により保証されていることから、中古住宅市場での評価が比較的高い傾向です。
国土交通省の指針でも、長期優良住宅は「経年による基礎・躯体の減価スピードが遅い住宅」と位置付けられています。
維持保全記録を適切に保存しておくことで、売却時の評価にもプラスに働く要素となり得ます。
もっとも、立地・市場環境・維持保全記録の有無によって評価は変わるため、「必ず高値で売却できる」とは限らない点も理解しておくべきです。
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長期優良住宅で後悔しないための5つの対策

後悔を避けるために、建築前に以下の対策を講じることが重要です。
- 維持管理・定期点検の負担を事前にシミュレーションしておく
- 認定実績が豊富な施工業者を選ぶ
- 確定申告で住宅ローン控除・各種税金控除を必ず申請する
- 建築コストと優遇制度のトータル損益を比較する
- 将来のリフォーム・増改築を見据えた設計にする
5つの対策をそれぞれ解説します。
維持管理・定期点検の負担を事前にシミュレーションしておく
長期優良住宅の維持保全計画は30年以上にわたります。
そのため、建築前に維持保全計画の内容を確認し、30年間のメンテナンスコストを概算しておくことが大切です。
点検サイクルや1回あたりの費用の目安を業者に確認し、長期的な資金計画に組み込みましょう。
新築時のデータや点検履歴を一元管理できるメンテナンス体制が整ったハウスメーカーを選ぶと、記録の保存や報告もスムーズです。
認定実績が豊富な施工業者を選ぶ
長期優良住宅の認定実績が豊富な業者は、基準を熟知しており申請から建築までスムーズに進められます。
実績のない業者では基準未達や手戻りが発生するリスクがあります。
業者選びのチェックポイントとしては、認定実績数・申請代行の対応可否・建築後のメンテナンス体制の3点が重要です。
長期優良住宅の申請に慣れていない工務店もあるため、複数社から見積もりを取って比較するのをおすすめします。
確定申告で住宅ローン控除・各種税金控除を必ず申請する
住宅ローン控除や認定住宅新築等特別税額控除は、確定申告をしなければ受けられません。
認定通知書の写し・住宅用家屋証明書・請負契約書・登記事項証明書など、必要書類が多いため事前に準備を進めておくことが重要です。
確定申告の時期は入居した翌年の2月16日〜3月15日となります。
会社員の場合、初年度のみ確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で対応できます。
手続きに不安がある場合は、ハウスメーカーの担当者や税理士に相談してください。
建築コストと優遇制度のトータル損益を比較する
長期優良住宅で後悔しないためには、追加コストとメリットの金額を総合的に比較する視点が欠かせません。
| 項目 | 概算金額の目安 | 備考 |
| 建築費の追加分 | 数十万円〜 | 仕様・業者により変動 |
| 認定申請費用 | 5万〜30万円 | 自治体・代行有無で変動 |
| 30年間のメンテナンスコスト増分 | 業者に要確認 | 点検頻度・内容による |
| 住宅ローン控除の差額(13年間) | 借入額・所得で変動 | メリット |
| 固定資産税の差額(2年延長分) | 数十万円 | メリット |
| 地震保険料の差額 | 保険期間で変動 | メリット |
| 補助金 | 制度・条件で変動 | メリット |
借入額・所得・世帯区分によって結果は大きく変わるため、ファイナンシャルプランナーや工務店に具体的な試算を依頼することをおすすめします。
将来のリフォーム・増改築を見据えた設計にする
子どもの成長や独立、親の同居など、将来のライフスタイル変化を想定した設計にしておくと、入居後のリフォーム制約を最小限に抑えられます。
具体的には、構造に影響しない間仕切り壁の採用や、交換しやすい配管・配線計画などの検討が有効です。
認定条件を維持しながら、リフォームできる範囲をあらかじめ業者と確認しておくのをおすすめします。
長期優良住宅の認定基準には「可変性」に関する項目もあるため、将来の変更に対応しやすい設計を最初から取り入れておくのが後悔を防ぐポイントです。
>関連リンク:注文住宅で後悔ばかりになってしまう理由とは|用途別ランキングと後悔を避ける5つのポイント
認定計画を取りやめる場合の手続きと注意点

対策を講じても後悔が残る場合、認定計画を取りやめるという選択肢もあります。
取りやめ自体は可能ですが、税制面などにリスクがあるため慎重な判断が必要です。
ここでは、取りやめの手続き方法と注意すべきリスクを確認しておきます。
認定計画の取りやめに必要な申出手順と書類
取りやめの正式名称は「認定長期優良住宅建築等計画に基づく住宅の建築又は維持保全を取りやめる旨の申出」です。
申出先は認定を受けた所管行政庁で、取りやめ申出書(所管行政庁の様式)を提出します。
手続きの流れは、申出書の入手→記入→所管行政庁への提出→受理となります。
都道府県や市区町村によって様式や窓口が異なるため、お住まいの自治体に確認してください。
取り消し後に発生するデメリットと税制面のリスク
認定を取りやめた場合、すでに受けた住宅ローン控除や各種減税について返還を求められる可能性があります。
認定を前提とした補助金の返還リスクもあるため注意が必要です。
また、維持保全の状況報告に虚偽がある場合は30万円以下の罰金が科される規定もあります。
なお、「認定取消し」(行政処分)と「自主的な取りやめ」(自ら申し出る)は異なる手続きです。
税制優遇の返還条件は個別の事情により異なるため、取りやめを検討する場合は税務署や施工業者に事前に相談することをおすすめします。
まとめ|長期優良住宅の後悔を防ぐために押さえるべきポイント
長期優良住宅で後悔する理由としては、申請費用やスケジュールの延長やリフォーム時の変更認定、住宅ローン控除額が期待より小さくなるケースなどが挙げられます。
しかし、住宅ローン控除の優遇・固定資産税の減額期間延長・地震保険料の割引・補助金・資産価値の維持といったメリットも大きい制度です。
後悔を防ぐためには、維持管理コストの事前シミュレーションなど将来を見据えた対策が有効となります。
万が一、対策を講じても後悔が残る場合は、認定計画の取りやめも選択肢の一つです。
本記事で解説した手続きやリスクを参考に、慎重に判断してください。
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