屋根塗装・外壁塗装リフォームの種類と費用・価格の相場について

屋根塗装・外壁塗装リフォーム

マイホームのリフォームというと、一番に思いつくのが、システムキッチンやシステムバス、トイレといった住宅設備の入れ替えではないでしょうか。日々使用している住宅設備は、劣化や不具合が目につきやすいため、交換・修理のタイミングも判断しやすいかと思います。

一方、屋根や外壁については、何かトラブルが起こるまで放置しているケースを多く見かけます。実はこれ、長い目で見ると大きな損をしています。定期的にメンテナンスをおこない、トラブルが起こる前の的確なタイミングで塗装をすると、メリットがたくさんあるのです。

では、屋根や外壁の塗装リフォームの最適な時期や、目安となる費用はどのくらいなのでしょうか?ここでは、「屋根塗装・外壁塗装リフォームの種類と費用・価格の相場について」お伝えしていきます。

1. 屋根や外壁は塗り替えが必要なの?

屋根や外壁は塗り替えが必要?

屋根は「屋根材」、外壁は「外壁材」によって耐久性が変わってきます。屋根よりも外壁の方がメンテナンスのスパンは短く、10年が塗り替え時期の目安になります。
ちなみにサイディングは再塗装不要と思っている方も多いですが、定期的に塗装しないと耐水性が衰えていくので再塗装は必要です。

屋根材や外壁材は、その種類によって塗り替え時期が異なります。それぞれの特徴と塗り替え時期、費用の目安をご紹介します。

① 屋根材と塗り替えの目安

トタン

  • 塗り替えの目安/8年~
  • 1㎡あたり/5,000円~6,000円

軽さや安さがメリットですが、錆びやすく断熱性や防音性は低いという特徴があります。

スレート

  • 塗り替えの目安/10年~
  • 1㎡あたり/5,000円~1万円

軽くて耐震性が高く、安さもメリットですので高いシェアを誇っています。割れやすいという特徴もあります。

日本瓦

  • 塗り替えの目安/50年~
  • 1㎡あたり/9,000円~1万2,000円

基本的に塗り替えの必要はありません。また、断熱性や防音性が高いという点が大きなメリットです。ただし、日本瓦の屋根は重いため、瓦屋根に合わせて耐震性を確保した仕様にする必要があります。

セメント瓦

  • 塗り替えの目安/10年~
  • 1㎡あたり/6,000円~8,000円

セメント瓦は日本瓦より安い点がメリットとして、一時普及しました。ところが日本瓦と違い、定期的に塗装しなければならないことから定着せず、現在は生産がほぼ終了しています。

ガルバリウム鋼板

  • 塗り替えの目安/15年~
  • 1㎡あたり/6,000円~9,000円

軽くて、錆びにくく、防水性も高いというメリットがあります。ただし防音性は低いという特徴があります。

② 外壁材と塗り替えの目安

窯業系サイディング

  • 塗り替えの目安/7~8年
  • 1㎡あたり/3,500円~5,000円

コストパフォーマンスに優れ、耐火性や遮音性、耐震性も高く、シェアはおよそ70%とNO.1を誇っています。セメントが主成分なので、塗膜が弱くなると水をしみこみやすくなる特徴があります。

金属系サイディング

  • 塗り替えの目安/10~15年
  • 1㎡あたり/4,000円~6,000円

金属性なので、ひび割れや凍結しにくいというメリットがあります。シェアはおよそ10%と、窯業系サイディングに次ぐ人気です。

モルタル

  • 塗り替えの目安/5~10年
  • 1㎡あたり/1,500円~4,000円

最も安く、つなぎ目がない外壁を作れるというメリットがあります。セメントと砂を混ぜた成分なので耐水性は低く、割れやすいという特徴があります。

タイル

  • 塗り替えの目安/40年
  • 1㎡あたり/7,000円~9,000円

高級感があり耐久性はとても高いですが、サイディングやモルタルよりも高価です。塗り替えのスパンは比較的長いですが、下地や目地のメンテナンスは必要です。

ALC

  • 塗り替えの目安/10~15年
  • 1㎡あたり/7,000円~1万5,000円

軽量気泡コンクリートパネルで断熱性や耐火性に優れており、高層ビルなどに使用されています。耐久性は高いですが防水性が低いため、塗料によって防水性の機能が大きく変わってきます。

2. 塗膜の劣化を放置すると・・・?

塗膜の劣化

屋根や外壁の黒ずみは、汚れではなく「劣化」のサインでもあります。屋根や外壁は常に風雨や紫外線にさらされているため、徐々に塗膜が劣化していきます。塗膜の劣化は、色あせといった美観を損なうだけでなく、防水性といった家を守るための大切な機能も低下していきます。コケが生えるようになってきたらその兆候です。

また、チョーキング(触ると手に白い粉がつく)やクラック(ひび割れ)、塗膜の浮きや剥がれなどが見られたら、まずは業者に塗装リフォームの相談をしましょう。
そのまま放置しておくと、最悪の場合、屋根であれば雨漏りを引き起こし、基礎部分まで不具合が生じていきます。そうなってしまうと破損した箇所や下地の修繕に手間がかかり、費用が高くなるのです。

チョーキング

クラック

塗膜の浮きや剥がれ

外壁も同じで、塗装だけではなく外壁材の交換が必要になってしまうケースもあり、リフォーム費用も高額になってしまいます。そのため、定期的なメンテナンスや塗装は、長い目で見たメンテナンス費用の削減といったポイントとしてもとても重要です。

3. 屋根・外壁塗装リフォームの費用・価格の相場

屋根・外壁塗装リフォームの費用

それでは、屋根や外壁の塗装リフォームはどのくらいの費用になるのでしょうか?目安を知っていると、見積もり価格が妥当かどうかの判断材料にもなります。ここでは一般的な一戸建て住宅(30坪)の価格相場をご紹介していきます。

① 屋根の塗り替え

30坪程度の建物の場合、屋根の塗り替え費用目安は約60万円です。屋根の塗装の際の工程順に費用相場の内訳を確認していくと、

  • 足場および養生シート費用/20万円
  • 屋根の汚れを落とし、塗装の密着性を高めるための高圧洗浄費用/2万円
  • 下地調整/7万円
  • 塗装作業費用/20万円
  • 諸経費/総工事の5~15%で、交通費や事務手数料など10万円(スレート屋根の場合、隙間を作る縁切りで+3万円)

これでおよそ60万円です。
ただし、使用する塗料によって塗装費用は大きく変わってきます。

② 外壁の塗り替え

30坪程度の建物の場合、費用の目安は60万円ほどです。ただし費用は塗装面積に比例して上がっていきます。

外壁のおおよその面積は、1坪3.3㎡×1.2で算出することが可能です。そのため30坪だと、3.3㎡×30坪×1.2=約119㎡となります。塗装面積が158㎡の場合は最低でも80万円、198㎡だと約100万円程度が塗装費用の目安となります。

外壁の塗装の工程も屋根と大きくは変わりません。10日間くらいが工事期間で、その間に足場養生の設置、高圧洗浄、そしてシーリング材の修繕や錆止めをおこなう下地処理、密着性を高めるため下塗り、中塗り、上塗りと塗装していきます。
最後に点検をして、足場を解体すれば完了です。ただし、こちらも屋根と同じく、どの塗料を使用するのかによって塗装費用は変わってきます。

③ 塗り替え費用は塗料で決まる

屋根や外壁の塗装リフォームの費用のおよそ20%を占めているのが「塗料」です。塗料によって費用も変わってきますし、耐久性も異なります。そのため、どの塗料を使ってリフォームするかはとても重要です。

そこで、どのような塗料があるのかご紹介していきます。

アクリル塗料

  • 耐久目安/3~8年
  • 1㎡あたり/1,000円~1,800円

ウレタン塗料

  • 耐久目安/5~10年
  • 1㎡あたり/1,500円~2,500円

シリコン塗料

  • 耐久目安/7~15年
  • 1㎡あたり/1,800円~3,500円

フッ素塗料

  • 耐久目安/12~20年
  • 1㎡あたり/3,000円~5,000円

一番のシェアを誇っているのはウレタン塗料で全体のおよそ70%です。塗装費用がどのくらいの差になるのか、30坪の外壁(塗装面積119㎡)で比較すると、ウレタン塗料が2,500円×119㎡=297,500円とおよそ30万円になるのに対し、フッ素塗料だと5,000円×119㎡=595,000円とおよそ60万円になります。

ウレタン塗料よりもフッ素塗料の方が費用は高くなりますが、耐久性が高いので、長い目で見たときには、ランニングコストはフッ素塗料の方がお得になります。

外壁塗装だけではなく屋根塗装も同様ですが、こちらはシリコン塗料、フッ素塗料がメインです。アクリル塗料、ウレタン塗料もありますが、屋根は紫外線を遮るものがなく、塗料の劣化も早くなるため、外壁よりもワンランク上の塗料を選ぶのがおすすめです。

4. 屋根・外壁塗装リフォームの費用を抑えるコツ

塗装リフォーム費用を節約する方法

屋根や外壁の塗装リフォームの費用を抑えたいのであれば、定期的にメンテナンスをおこない、大規模工事にならないようにしていくことがポイントです。塗装リフォーム費用を節約する方法は、ほかにもあるのでしょうか?

① 屋根と外壁は一緒に塗り替え

屋根と外壁は一緒のタイミングで塗装リフォームをおこなうと、費用を抑えることができます。
理由は「足場代の節約」です。屋根と外壁の塗装を別々の時期におこなうと、足場を2回組む必要がありますが、同時期にリフォームをすることで、足場代1回分20万~30万円ほどの節約になります。

一度に屋根も外壁も塗装リフォームをすると、確かに合計の費用はそれなりに高くなりますが、塗り替え時期が近いのであれば、一緒のタイミングでおこなった方が、長い目で見ると費用を抑えられることになります。

② 火災保険を確認してみる

台風による風害や、積雪による雪害などで、屋根や外壁の修繕や塗装をおこなう場合、「火災保険」が適用される場合があります。
風災被害と認定されれば補償してくれますので、保険会社に確認しておいた方がいいでしょう。

保険会社の依頼を受けた第三者機関である損害保険鑑定人が調査をおこない、申請から2~3カ月ほどで結果が出ます。
火災保険は何度でも申請できますし、自動車保険のように適用されても保険料が上がるようなことはありません。ただし補償内容については、風災被害から3年以内や、工事費が20万円以上といった制限がありますので、火災保険の内容はよく確認しておきましょう。

一方で、「これなら火災保険の補償で直せる」と、調査前にもかかわらず塗装リフォームの契約を迫る業者がいることも事実です。
本当に補償が適用されるのかどうかは、損害保険鑑定人による調査後に判断されます。
その前に契約してしまい、塗装リフォーム費用を全額請求されるようなトラブルも発生しています。また、火災保険申請の代行をお願いしたら、手数料が法外な金額だったというケースもあります。これらの悪徳商法には、十分お気をつけください。

5. 屋根・外壁塗装の業者選びは慎重に|業者選びのポイント

屋根・外壁塗装業者選びのポイント

① 価格は「工事の質」に出る

屋根・外壁塗装リフォームをおこなう際は、いくつかの業者に見積もりを出してもらう必要がありますが、相場をはるかに下回るような見積もりには注意が必要です。2度塗りすることを1度だけですませてしまうような手抜き工事や、施工が始まってから追加料金を求められるといったトラブルに繋がるリスクがあります。

高額なリフォーム費用を少しでも安く抑えたいと考えるのは当然ですが、「適正価格」を度外視するような業者は、やはり工事の質もそれなりでしかなく、手抜き工事で塗装をやり直すことになっては、安く工事してもらっても意味がありません。

塗装リフォームは、施工後の善し悪しを素人目で判断するのが難しく、実際に施工不良に気づくのは時間が経過してからになります。ですから「安さ」よりも、「信頼度」と「実績」で業者を選ぶことが大切です。

② ホームページなし&「一式」見積りの業者は避ける

業者のホームページがないのは論外といえるでしょう。ホームページで施工実績やクチコミ、1級塗装技能士といった信頼できる資格を持つ職人が在籍しているのかを確認しましょう。塗装リフォームの場合、職人の「技術力」はとても重要な要素です。

ぜひ注目してください。

また見積もりが「足場代一式」「塗装工事一式」といったように不明瞭なものを提示してくる業者も要注意です。

工事の内訳の中には、一式表記になってしまう箇所もありますが、最低限、「足場代」「養生代」「高圧洗浄代」「飛沫防止ネット代」「シーリング代」「塗装代」「廃棄物処理代」程度の細かな内訳を記載してくれる業者に依頼しましょう。

このあたりの確認が、施工トラブルを未然に防ぐポイントになります。

③ 「○○無料」や「割引キャンペーン」は慎重に

「今だけ割引キャンペーン中です」「屋根や外壁を無料で調査させてください」といった訪問営業をおこなっている業者の中でも、「今契約してくれればさらにお安くします!」など、その場での契約を迫るようなケースは最もリスクの高い業者といえます。絶対に即決はせず、ホームページや見積もり内容を確認したうえで判断するようにしてください。

6. まとめ

適切な時期に塗装リフォームを

実際には、「雨漏りしている」「外壁にヒビが入っていて雨水が侵入してきた」といった事態になってから、屋根や外壁のリフォーム工事をおこなうケースは少なくありません。その場合、残念ながら、工事費用は高額になってしまいます。屋根・外壁は、定期的なメンテナンスをおこない、適切な時期に塗装リフォームをすることが、マイホームを快適に維持していく大切なポイントです。

「そろそろ塗装リフォームが必要かな?」と悩まれている場合は、お気軽に当社にご相談ください。

株式会社レジェンドホームでは、地域に密着し、親身な対応で皆様にご満足いただけるリフォームを提供させていただいております。
ぜひ、適切な時期に塗装リフォームをおこない、笑顔あふれる暮らしをお過ごしください。

大久保明彦

記事監修/大久保明彦(おおくぼあきひこ)

  • 株式会社レジェンドホーム 代表取締役
  • 宅地建物取引士

住まいで成功するには、注文住宅と不動産の2つの事業を柱にすることが必須と考え、建築と不動産の両方を強みとする事業を作り上げた。
「真実一路、全てはお客様の笑顔のために」をモットーに、創業以来、地域に密着した住まいづくりをしている。